「急がれる『エシカル力(りょく)』の強化とエシカル調達・購入の拡大 ~ EX(エシカル・トランスフォーメーション)の実現に向けて ~」と題したJEI初の企業フォーラムを、2021年8月26日、28名(会員18社19名+理事9名)の方々のご参加を得てオンライン上で開催しました。
今回の企業フォーラムは、策定の最終段階に入ったエシカル基準、および今年度中に策定する中長期計画について会員企業(+企業にお勤めの個人会員)の皆様のご意見を伺うことを目的に開催したものです。
■エシカル基準(案)パブリックコメント募集にあたっての説明動画
https://youtu.be/z6iueukNveQ
フォーラムでは、JEI側からエシカル基準(案)と 中長期計画(案)についてご説明した後、4つのグループに分かれて自由にご意見を述べて頂くグループ・ディスカッション(GD)を2回に分けて実施しました。
最初のGDはエシカル基準(案)についてで、そこでは次のような意見・コメントが出されました。
- 日本にこのような基準がない中で、「エシカル」とは何かを世の中や消費者に示すものとして意味がある。
- 人権についてしっかり押さえているのが良い。
- エシカルにするためのアクションプランや目標が整理でき、中小企業にとって良い基盤となる。
- 基準に取り組むにはメリットがないといけない。どのようなメリットがあるのか、どれだけ役に立つのかを示す必要がある。
- エシカル基準に取り組んだ企業にエシカルマークのようなものを与える仕組みがあるとメリットになり、障壁も少なくなるのではないか。
- どこまで満たせばエシカルと言えるのかが良く分からない。
- 導入して終わりではなく、PDCAを回して正しく運用されているかチェックすることも必要。
- 基準を使うには専門的な分析やデータの蓄積が必要になる。時間やマンパワーがある会社でないと取り組むのが大変ではないか。
- 基準が厳しすぎるので、もう少しゆるやかにして、中小
- 零細企業がローコストで気軽に取り組める仕組みにした方が良い。
- 第三者(NGOやNPO)の協力が得られるような仕組みがあると良い。
- 自主宣言だけだと弱い。第三者機関が審査するなどしてエシカル基準に達しているとアピールできれば価値が出てくるのでは。
次いて行われた二回目のGDは、エシカル調達の普及拡大を一つの主柱とする中長期計画についてで、そこでは次のような意見・コメントが出されました。
- エシカル先進国を参考にして“今の時代だからこそエシカル”といったエシカルの価値を上げる啓発活動が必要
- 今ブーム化しているSDGsにひきつけ、SDGsの背景にはエシカルがあるということを知らせではどうか。
- エシカルには「Z世代」が関心を持っているので、彼らへのアプローチが重要では。若い世代も巻き込んでエシカルの推進、実現を図ってほしい。
- 環境問題と並んで重要な人権問題もJEIからどんどん発信してほしい。
- JEIにはエシカルな企業の情報発信をしていってほしい。減点主義ではなく加点主義で評価してほしい。
- 今は「あれもこれも」やろうとして方向性が定まらない状態にあるように思われる。優先的に取り組むべきなのはエシカル公共調達ではないか。
- どんなテーマで政府に対してロビーイングしていくか、定期的に会員企業から声を拾って政府に働きかける役割がJEIにあるのではないか。
- ロビー活動に加えてキーマンの議員への働きかけも必要では。それがJEIへ参加する一つのメリットとなるのではないか。
- 名古屋市では市民が声を上げ市役所に働きかけたことで、グリーン調達の中でフェアトレードコットンの調達が実現した。
- 既に行われているグリーン調達に上乗せする形でエシカル調達を求めてはどうか。ただ、本当にエシカルな調達なのか、人権が本当に守られているかを確認する必要がある。それには第三者による評価が必要ではないか。
- 今どれだけエシカル調達ができているか省庁に情報開示を求めてはどうか。省庁自身に開示させるだけでなく第三者が測る方法もある。
- 省庁には「横連携」も求めたい。消費者庁や農水省はエシカル消費を市民に呼びかけるだけでなく、他省庁にも働きかけ、各省庁のエシカル調達状況を公表してほしい。他省庁への働きかけにはJEIも協力してはどうか。
以上のように、とても貴重で有益なご意見・コメントが数多く寄せられました。ここに心より深く感謝申し上げます。頂いた声をもとにエシカル基準および中長期計画をブラッシュアップさせて頂きたいと思います。
これからも皆様のご期待により良く応えるとともに、会員同士の出会いの場、意見交換の場、アクションを起こしていく場などとして活用して頂くためにも、定期的に本フォーラムを開催していく予定です(次回は年内を予定)。つきましては、次回以降も奮ってご参加頂けますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。